2019.03.01スタートアップ

開業したいけど低資金でも大丈夫?少ない資金で開業できるビジネスとは

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開業するといっても、その規模はさまざまです。自社企画の製品を国内外に販売するという大きな資金や複数の人材が求められるものから、専門知識を活かしてWebサイトの構築やライティングの請負といった副業型・週末起業型まで、幅広い方法から選択できます。とはいえ、どんな分野で起業する場合でも、課題となるのが資金の確保でしょう。起業や開業によって独立を目指す場合に、低資金でもスタートできるビジネスについて考えてみましょう。

起業・開業の実態

まずは、起業を考えるうえでどのような業種を検討するべきなのか、日本政策金融公庫・総合研究所が発表した『起業と企業意識に関する調査』を参考に、その実態を確認してみましょう。

起業で多い業種

上述の調査内容によると、起業の業種としては「個人向けサービス業」の割合が20.0%と最も高く、「事業所向けサービス業(17.1%)」、「小売業(10.7%)」と続きます。「情報通信業」になると9.6%とやや少なくなり、それなりの資金や事業体制が求められる「建築業」や「製造業」はさらに少なくなるというのが実情です。

その裏付けのように、起業のための設立・準備資金については「100万円未満」が54.3%で半数以上ともっとも多く、次いで「100~500万円未満」が29.0%。2006年5月に施行された新会社法により、「資本金1円から株式会社が設立できる」ようになったことから、起業のハードルが低くなっているようです。

同調査では、売上についても回答を得ており、月商「30万円未満(42.1%)」、「30~50万円未満(14.7%)」と、売上50万円未満となる起業者が約6割を占めています。その一方で、月商「100万円以上」とする回答者は25.5%となっており、概ね4人に1人の計算です。

フリーランサーというスタイル

起業しやすい事業形態のひとつに、フリーランサーというスタイルがあります。

クラウドソーシングを提供する「ランサーズ」の調査によると、フリーランサーとして登録されている職種は、ビジネス系(経営企画・戦略、人事・採用・教育、マーケティング等の支援)や、コンサルタント/カウンセラー系、職人/アーティスト系、IT/クリエイティブ系(Webデザイナー、プログラマー、グラフィックデザイナー)などが多く、これらに士業などが加わります。個人の持つ専門スキルや経験をいかして、ニーズのあるところに提供する働き方です。

フリーランサーの起業スタイルは、副業・本業のいずれも選択でき、実質的に開業資金がかかりにくいのも特徴のひとつです。多くの場合、すでにある自身のスキルをいかした仕事を請け負うことになるため、新規設備の投資にかかるコストを軽減できるという背景があります。

低資金で開業する際の具体的な業種

では実際に、低資金で開業できる業種を考えてみましょう。先にも紹介したとおり、低コストで開業できるケースとして、経験重視で、時間等の融通がきくフリーランスのスタイルがあります。具体的な業種として、代表的なものを以下にまとめました。

ビジネス系支援/コンサルタント

コンサルタント業務は、ITから人事、マーケティングなど、それぞれの分野において、助言や指導を行いながら、企業や業種を支援するのが仕事です。ひとつの企業をトータルでサポートする場合には、個々の持つスキルを連携させながら、チームコンサルとして発展させることも期待できるでしょう。肩書よりも実力、そして実績を導き出せる支援力が問われるため、個人起業としてもチャンスがあります。

IT/クリエイティブ

IT技術者やデザイナーとしての個人起業も多く見られます。専門的なスキルをいかして本業とするだけでなく、趣味を発展させて副業として制作を引き受けるといった働き方も可能でしょう。WebサイトデザインやCSSコーディング、Webシステム開発といったIT関連から、ロゴ作成やイラスト制作、記事作成など幅広いニーズがあり、スキルや得意分野に合わせた開業が可能です。

将来性と発展性があることが重要

起業したからには、継続的に売り上げが伴わなければ事業として成り立ちません。どんなに低資金で開業したとしても、その後、継続できるかが大きなカギとなります。とはいえ、大げさな起業ではなく、まずは自分の実力を試したいという方も多いかもしれません。

その点、フリーランサーは副業型からスタートできるため、今の仕事の延長としてはじめるだけでなく、趣味やボランティアの領域から、本格的な事業への発展性も期待できるでしょう。また、ノウハウと経験を得るために起業・開業するという考え方もあります。いずれにしろ、最終的に個人事業主としての独立を計画するのであれば、将来性と発展性がある分野かどうかを検討しながら、実践することが大切です。

将来ビジョンとコスト対策

たとえボランティアからスタートした起業であっても、継続的に事業を運営するためには、ある程度の売上を確保する必要があるでしょう。とくに起業当初は期待通りの収入が得られるとは限りません。そこで、売上アップだけでなく、コストの軽減についても考えてみましょう。

重要なコスト対策は固定のランニング費用

できるだけ赤字を出さないようにするためには、毎月出費されるランニングコストの管理がとても大切です。コストには、製品の販売などの仕入れ代金のように、売上とともに出ていく経費と、売上額にかかわらず、毎月必ず出ていく経費があります。後者を「固定費」といい、仮に売上がない月でもコストがかかります。事業経費にかかる負担を抑えるためには、この「固定費」をできるだけ小さくしておくのがポイントです。

代表的な固定費には、オフィスの賃料や、それに係る水道光熱費、インターネット等の回線費用、コピー機やFAXなどの基本機材のリース料があります。

シェアオフィス、コワーキングスペースの活用でコストリスク対策

固定費のなかでも、とくに大きくなりがちなのがオフィスの賃料です。オフィスとして独立したスペースを借りると、ターミナル駅から少し離れた駅でも、賃料が高くなりがちです。さらに、水道光熱費や機材費、共益費や管理費が上乗せされるため、起業初期にはかなりの出費といえるでしょう。

この場合、ある程度の売上が保証されるのであればよいかもしれませんが、見込みが立てにくい初期の段階で、ランニングコストがかかりすぎるのは大変です。固定費にかかる経費が大きいほど、結果的に、事業者の所得も比例して減ってしまうため、生活にも影響が出てしまいます。そうした状況を避けるためにも、当初の固定費を軽減させるための工夫を取り入れてみましょう。

 

たとえば、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用して、固定費を低く抑えるのもひとつの方法です。シェアオフィスやコワーキングスペースの多くは、通常のオフィス利用と比べて賃料が安く管理費や水道光熱費、ネット回線費などのコストまでが賃料に含まれるという利点があります。また、コピー機やFAXといった機器類が設置されているため、初期設備にかかる資金を軽減できるのも利点です。そのほか、クライアントとの打ち合わせができる共有会議室や、セミナールームが無料もしくは低料金で使用できるというケースがほとんどであり、使い勝手が良いのが魅力。オフィス移転にかかる費用も抑えられるため、事業が軌道に乗ってから大きなオフィスを借りる際も容易でしょう。

低資金でもスキルをいかした開業を

インターネットが発達し、クラウドソーシングによる業務提携が容易になった現代では、資金をかけずに開業できる環境が整っています。自身のスキルをいかした起業ができるだけでなく、法人化も夢ではありません。ただし、起業には資金面での課題がつきもの。不安材料となりうる固定費を軽減させるために、起業時はシェアオフィスやコワーキングスペースを活用し、事業発展に集中できる環境を整えたいものです。

参考:

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+OURS(プラスアワーズ)編集部

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